2009年2月2日月曜日

セッション報告(1/28 – 1/29)

田村です。今日は1日、フォーラムの最終日でした。本当は最終全体討論の報告をするべきですが、順を追って各セッションの簡略レポートです。(フォーラム初参加のため、誤った情報は訂正をお願いします!)28日は農科大学(UFRA)、29~31日は連邦大学(UFPA)のキャンパスに行きました。とにかく、直射日光とスコールのタイミングをどう避けるかがセッション参加成功の秘訣?のような気候条件の中(アマゾンの自然にならえ、という感じでしょうか)、山口さんの書かれていたようにかなり適当な地図をたよりに延々と会場を探し回る日々でした(そこらじゅうにいるボランティアはほとんど情報を持っていない・・←名誉のために全員とはいいませんが)。

<先住民テント>
tendaをテントと訳してよいものが迷いますが(集会場というべきか)今回のフォーラムではテーマ別のテントが仮設され、大規模な集会はそこで行なわれます。UFRAでも最大級のテントが先住民のテントでした。私が入った時にはブラジルアマゾン先住民組織連合会主催の「森を守る者、水力発電開発と先住民の権利」が開かれていました。ベレンの位置するブラジル北部パラ州をはじめとしてアマゾナス州、アクレ州、アマパ州などの各地域の先住民グループが参加し、会場の中心に作られた大きな舞台で各民族の儀式的なパフォーマンス(表現が正しくないかも知れません)の後、代表者が演説を行ないました。世界教育フォーラムでもそうでしたが、秋本さんも書かれていたように、ベレンのフォーラムは先住民が発言する機会が多くもたれており、彼らの訴えはアマゾンの自然の声そのものとしてダイレクトに心に響きました。と、なんとも表現能力が乏しいですが、世界社会フォーラムでこのような形でアマゾン先住民を中心に据えるスペースが確保され、森で暮らす彼ら自身の語りで森林破壊、開発の問題の告発を聞くことができたことは大きな収穫でした。到着が遅れ、短時間しか参加できなかったことが悔やまれます。



<FOTOATIVA>

ベレンで古い歴史を持つ写真家たちの社会文化運動グループ、FOTOATIVAのブースに行きました。日系二世のミゲル・チカオカさん主宰の写真家を中心とする組織で、手作りのカメラ(ピンホールカメラが中心)を使って撮影した写真を通してコミュニティの人々が自分の暮らしやベレンの街を表現するプロセスからエンパワーメントを促す活動を続けています(チカオカさんは昨年、日本ブラジル交流年記念イベントのブラジルの代表的な写真家の一人として来日しました)。話によれば、フォーラムの直前に「会場を確保したからワークショップを開いてくれ」と実行委員会から連絡があったそうです。ワークショップは定員オーバーで登録は翌日待ち、という盛況振りでした。会場の外の庭には、ベレンの住民(プロの写真家から市場で働くおっちゃんたちまで)が撮影した「ベレンの歴史」の無数の写真が展示されていました。紐に写真をぶら下げるスタイル、ブラジルのliteratura de cordel(民衆文学)を彷彿とさせます。しかもどの写真も味があって見ごたえあり!





<アマゾンにおける大豆の社会的影響>

数あるセッションの中でどれにしようか(物理的な問題もあり・・)迷った結果、日本に関係のある大豆のセッションに参加しました。土地司牧委員会(CPT)、オランダのNGO Cordaid企画の集会で、これまた会場到着が遅れて最後の参加者のディスカッションを聞くのみでしたが、実際に自分の暮らしている地域に大豆プランテーション導入が具体化しはじめていることに対する危機を訴えるパラ州内陸(サンタレンなど)の人々の声を聞きました。なかには先住民グループの人もいました。「大豆生産の恩恵は住民には戻らない」「生態系を壊すだけ」「輸出作物のために自分たちの土地を奪われるのはもうたくさん」「大豆が悪いわけではなく、大豆生産システムの何が問題なのか見極めなければならない」「住民の連帯から政府に圧力をかけるアクションをおこさなければ」という主張がなされていました。




<番外編:5大統領演説>

秋本さんの書かれていたラテンアメリカの5大統領勢揃いの演説会「ラテンアメリカ―国際危機に挑む」に行ってきました。会場も参加時間も当日に新聞掲載された状態で(ほかに情報源あったのかな・・)、とりあえず19時開催ということなので待ち覚悟で18時に会場に到着。長蛇の列は想像していましたが、あまりに長かった・・。立って待つこと3時間。セキュリティチェックのせいか入場に非常に時間がかかります。一緒に列に並んでいた地元の女性と友達になったので時間はあまり苦ではありませんでしたが、とにかく足が痛い・・。そしてまだ会場の外にいる間に会議は開始(とはいっても20時半でしたが)。それを予期してか会場外にはスクリーンが設置され、外からも中の様子がわかるようになっていました。私たちが入ると同時にモラレス大統領の演説がはじまりましたが、入場数があまりに多い上にみんなしゃべっているので(ここでもキスをはじめるカップルあり)聞こえない!!せきが悪かったこともありますが、音響も悪くルーラの演説を解聴するのがやっとでした(とはいえ、いつもの調子の演説はわかれども、肝心な点は聴衆のおたけびにより聞こえず・・)。「ラテンアメリカはもう一つの世界を可能にする政治力を持ち始めている!」という連帯(社会主義)を確認するような会でした。ルーラ政権に対する数多い批判を考えると、パフォーマンスととらえるべきかと感じますが、こうして「世界社会フォーラム」の一部としてラテンアメリカの5大統領が一堂に会したという事実は悪くないイベントだったと思います。地域誌を解読し、演説内容については後日アップを計りたいと思います。


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