2009年1月21日水曜日

これはアマゾン川じゃなくてガンジス川だ!

 洋服の青山の2Fは不思議なところだ。 


 先日、ビザを受け取るために領事館に行ってきた。


 領事館には、申請のときと同じように、テレビがあり、ドラマを放映していた。ドラマの場所は、どうみてもガンジス川ベナレスだ。ブラジル人らしきヒンズー教の聖職者がポルトガル語で、インドの少年に説教を垂れている。そのうち場面が変わって、ブラジルの青年がインドに降り立ち、サングラスを右手で取り払い、インドの地を眺める。そして、ヒンズー寺院に行って、お祈りをしようとしたとき、紫色の花びら(何の花か知らない)を祭壇に向かって投げるときに、たまたまお祈りにきていたインドの女性と花びらの上で、手が触れ合った。どうも恋が芽生えたようだ。その後、そのブラジル人青年は、前述したブラジル人聖職者に恋愛の相談に行く・・・。そしてインド人は踊っている。ブラジル人も踊っている・・・という月並みなストーリーで、とてもつまらない20分ドラマだ(でも私はしっかり見てしまった!)。


 しかし、これを侮ってはいけない。これは、ブラジル大統領ルラが作った戦略的な意図的なドラマなのだ。ブラジルとインドがいかに関係が深いか、分かり合える関係かを表現している。恋愛の成立によって両国の関係を、そして踊りによって国民性を表現している。苦しいときも楽しいときも、いつもすぐに踊ってしまうインド大衆映画と、セクシーな露出が大好きな-しかも、それが自己表現の一つとして大衆的に好感を持たれている-ブラジル人たちのダンス。これを映像の中にたっぷり盛り込んでいる。


 グローバル市場の中で、ブラジルは戦略的にインドと共闘している。世界の方向性をG8諸国のみでは決めさせないほど、両国は力をつけてきた。WTOでも両国の抵抗によってドーハラウンドは頓挫している。
 ルラは、国民にブラジルがインドと共闘していること、ブラジルにとっていかにインドが親しみやすい国であるかを、象徴的なモチーフを使いながら、宣伝したかったのだろう。でも、あまりに陳腐な内容で、大統領はブラジル国民をなめてんじゃないの・・・

 

0 件のコメント:

コメントを投稿