2013年4月1日月曜日

各国の報道(抜粋)


WSF2013(3/26-30 チュニス)の概要
[各国の報道より]
 
■チュニジアの世界社会フォーラム、緊縮政策を非難
(3月26日、「アルジャジーラ」、ヤスミン・ライアン記者)
 
今年のフォーラムのスローガンは「尊厳」。2011年の革命の精神を継承するもの。
チュニジアの人々は生活必需品の価格の値下げ、仕事の権利、より公正な社会を求め続けている。
WSF組織委員会の代表のRomdhane Ben Amor によると
「フォーラムは当初はエジプトで開催することを期待していたが、チュニジアが選ばれた。より安定しているため。
128カ国から5万人が参加の予定。
公的債務の問題が主要なトピックの1つ」
この時期に北アフリカにやってくるのは反グローバリゼーションの活動家だけではなく、IMFもエジプトとチュニジアに「構造調整政策」を売り込むためにやってきている。
チュニジアは現在、IMFとの間で17,8億ドルの新規借款の交渉中で、政府は今週中にも協定に署名しようとしている。
しかし、Mabrouka Mbarek(制憲議会の議員、マルズーキ大統領の「共和国のための会議」党)によると、
「私たちが必要としている経済改革は人々のための改革であって、グローバル経済のための改革ではない。彼らは私たちの歴史を忘れている。IMFは30年余にわたってチュニジアの経済に重要な役割を果たしてきた」
その結果が不平等と失業の拡大であり、革命の発端となったモハメド・ブアジジの焼身抗議をもたらした。
 
■世界社会フォーラムのオープニングのデモに数千人が参加する
(3月26日、「チュニジア・ライブ」)
 
本日の午後に、全世界からやってきた数千人の活動家が、ダウンタウンで行われるWSFの開会のパレードに参加する。開始時刻の午後4時が近づくにつれて、さまざまな装いのデモ隊がハビブ・ブルギバ通りにやってきている。
WSFには140カ国から数万人が参加する。
グローバル・ジャスティス・アライアンスの活動家のマルシアさんは、「私たちのスローガンは戦争ノー、温暖化ノー、人々と地球のための経済を、です。チュニジアにもそのことを望みます」と語った。
フランスから来た女性の権利の活動家のオードリーさんは、「メディアはチュニジアが政治的混乱の中にあると報じているが、それはいい意味で政治的ということだと思う。人々が重要な問題について議論できるということだから。社会フォーラムは絶好のタイミングだと思う」と語った。
スペインのM-15運動のデニーさんは、「滞在中にチュニジアの市民社会組織や社会運動についてもっと知りたい。革命は終わっていないし、まだ目的を達成していない。闘争を続けなければならない」と語った。デニーさんはまた、デモに参加しているチュニジアの活動家たちが「社会フォーラムのイメージが政権の有利なように操作されていることを残念がっている」と付け加えた。
 
■フェミニストから平和主義者まで、チュニジアのフォーラムの開幕のデモ
(3月27日、AFP
 
アナーキスト、エコロジスト、平和運動活動家、労働組合活動家が、サハラ独立運動の活動家や、ベールをかぶった女性たち、伝統的なアラブのジェラバを着たアラブ人たちと肩を寄せ合って、初めてアラブの国で開催される反グローバリゼーションのイベントの開幕にあたって、首都の中心部を行進した。
2年前のチュニジアのジャスミン革命の中心地となり、アラブの春の発火点となったハビブ・ブルギバ通りのデモは、カーニバルのような雰囲気に包まれた。
スローガンがさまざまな言語で、さまざまな国籍の人々によって叫ばれた。日本から来た1つのグループは、黄色い服を纏い、武力紛争をなくすことを訴え、別のグループはパレスチナの解放を訴えた。チュニジアのいくつかのグループは2月に暗殺された非宗教的反政府派のショクリ・ベライド氏の肖像を掲げていた。
ベライド氏が率いた左派政党のリーダーのモハメド・ジュモア氏は「2011年1月の革命の以前なら、チュニジアで反グローバリゼーションのイベントに集まることなど考えられなかった。多くの人々の犠牲があって、これが実現された」と語る。
ヒューマンライツ・ウォッチは、アルジェリア政府が同国の人権活動家など約100人のチュニジア入国を阻止したことを非難した。
フォーラムに先立って開催された「闘う女性の集会」で、フェミニストたちはチュニジアの政権党のイスラム政党(アンナハダ党)の政策を厳しく批判した。エジプトから参加した学生は、「アンナハダ党はシャリア法を導入し、女性の権利を奪おうとしている。エジプトでも(ムスリム同胞団によって)同じことが行われている」と述べた。
チュニジア民主女性協会の会長のアフレム・ベルハジさんは、女性への暴力を、「女性を政治生活から排除し続けることを目指すもの」と非難した。
イベントが安全に開催されるように、チュニス周辺には治安部隊が配備された。
社会問題相のハリル・ザウィア(アンナハダ党と協調している非宗教派)は「フォーラムの開催はチュニジアの民主主義へのコミットメントを証明している」と語っている。ザウィアは、経済的な観点からは、WSFが観光シーズンの始まりとなることを期待すると述べている。観光産業は戦略産業であるが、この2年間大きな打撃を受けてきた。
 
■世界社会フォーラム、チュニス市内のマーチで開幕
(3月27日、英国「ガーディアン」、クレア・プロボスト記者)
 
火曜日[26日]、チュニジアの革命家、[]グローバリゼーション活動家、市民社会団体など数千人が、今年の世界社会フォーラムの開会のカーニバルのようなマーチのためにチュニスの街頭に出た。
英国の「アンカット」[歳出カットに反対する草の根の団体]の活動家たちも、フランスのNPA(反資本主義新党)や国際的な農民運動「ビアカンペシナ(農民の道)」、西サハラの独立運動活動家たちとともに参加した。
3時間にわたるデモは歴史的な「1月14日広場」から出発し、市の北端のオリンピック・スタジアムで終わる。
アラブで初めて開催されるこのイベントに120カ国、4500団体から数万人の活動家が集まる。
これから4日間、参加者たちはチュニスのエルマナール大学で開催される数百のワークショップ、論争、コンサート等に参加する。公正な税制と債務帳消しの運動は大きなテーマになっている。そのほかに、地中海地域におけるコールセンターの爆発的な増加や非正規雇用の影響の問題から、鉱山開発の問題など、さまざまなトピックが取り上げられる。
「クライメート・スペース」は、環境問題に対する市場ベースの解決策に反対する一連のイベントを開催する。国連のミレニアム開発目標の最終年(2015年)以降の取り組みに関する国連における協議への提言のとりまとめのためのワークショップ等も開催される。
最終日の土曜日(30日)にはパレスチナの国家樹立を支持するデモが行われる。
ビアカンペシナのセネガルのメンバーであるアワ・ジガルさんは、「これは世界の活動家に出会い、毎日話し合い、互いを知るためのユニークな機会を提供している」と語る。
タンザニアの市民団体「ハキ・マディニ」の代表のアマニ・ミンダさんは、「私は北の国の活動家たちとリンクして、ヨーロッパにおけるエネルギーをめぐる論争に連携して介入し、政治化させるために来た」と語る。
多くのセッションでは、アラブの春が起こっている諸国で、現在の状況と民主主義勢力の挑戦課題についての討論が行われる。
ショクリ・ベライド氏の暗殺の後、活動家が安全上の懸念から参加を断念することが心配されたため、大学キャンパスの警備が強化された。
アルジェリアの人権活動家など96人がアルジェリアの国境管理当局によって出国を拒否されたことに対して、アムネスティー・インターナショナルが抗議声明を発表した。また、チュニジアの砂漠地帯のチョウチャ難民キャンプで生活しているリビアからの難民約100人がWSF参加のためにチュニスへ移動しようとしたが阻止された。ヨーロッパに住む在留許可証を持たない移住者たちを乗せた船も、渡航できなかった(船長が拒否したため)。移住と移動の自由も今年のフォーラムの主要なテーマの1つだった。
カルタゴ国際空港の労働者たちは、フォーラムへの連帯を表明するために、25日に予定していたストライキを延期した。
 
■世界社会フォーラム始まる
(3月27日、米国「マンスリーレビュー」誌、ジョルダン・フラハーティー)
 
・・・26日のデモはチュニスのダウンタウンからメンザー・スタジアムまでの3マイルにわたるもので、チュニジア人民戦線からカトリック系NGO、国際金融と闘っているATTACまで広範な運動体の代表が参加し、さまざまな言語でスローガンを叫んだ。メンザー・スタジアムで午後7時半から開会セレモニーが始まった。パレスチナ、南アフリカ、チュニジア、米国の女性の社会運動リーダーたちが発言に立った。チュニジアのベスマ・ファルファウリさんは、2月に暗殺されたショクリ・ベライド氏の妻である。主催者によると、発言者に女性だけを選んだのは、この地域における保守的宗教的政府や世界における家父長制と対決するためである。組織委員会のメンバーの1人であるモロッコのハモウダ・ソウビさんは「そうすることにしたのは、女性はこの地域で、平等のために、そして自分たちの権利のために闘っているからだ。新しい政権は憲法をより宗教的なものにしようとしており、私たちはそれに反対する立場を取りたい」と語る。
スピーチの後、伝説のミュージシャン、ジルベルト・ジルが自作の曲やボブ・マリー、ジョン・レノンの曲を披露した。ジルベルト・ジルは1960年代にブラジルのトロピカリア音楽のリーダーとして活躍し、ルラ政権の下で文化相を務めたこともある。
午前中に行われた記者会見で、ビアカンペシナのインドの女性農民運動活動家のナンディニ・ジャヤラさんは「政府の偽りの解決策は私たちをますます苦しめている。WSFは私たちが問題を共有し、解決策を議論する場だ」と述べた。
 
■アラブ革命の刺激を受け、チュニジアでWSF2013が始まる
(3月28日、エジプト「アフラムオンライン」、サルマ・シュクララー記者)
 
「この地域の民衆の決起がなければ、私たちがWSFにあなたたちを迎えるようなことは不可能だっただろう」。WSFのコーディネーターのアブデル・ラーマン・アルハゼーリーは語った。WSFの開会スピーチで彼は、「私たちがここに集まったのは、新自由主義政策に対して団結して闘い続けるためだ」と述べ、フォーラムの10年余にわたる社会的・政治的闘争の継承を強調した。
今年のフォーラムは、エジプトとチュニジアがIMFとの新規借款をめぐる交渉を行っている真っ只中で開かれている。革命後の政権がフォーラムの参加者が一貫して反対してきた経済政策を続けようとしている中で、フォーラムはアラブの革命後の政権に反対する運動の発展を表現している。
チュニジアのグループが叫んでいたスローガンの1つは「チュニジアの民衆は自由な民衆だ、アメリカにも、カタールにも反対だ」だった。これは活動家たちが誰を与党のイスラム政党の味方だと認識しているかを示唆している。
2月に暗殺されたショクリ・バライド氏の肖像がいたるところで見られた。
アラブ諸国からの参加者が多く、チュニジア、エジプト、リビア、シリア、パレスチナ、モロッコ、アルジェリアの旗が目立った。他の地域からの参加者としては、フランス、ベルギー、ドイツ、スペイン、ブラジル、マリ、ナイジェリア、中国[]、日本などが目立った。
パレスチナ問題が参加者の大きな関心をひきつけ、200日間にわたってハンストを続けているサメル・イサウィ氏の肖像があちらこちらに掲げられていた。
オープニング・セッションで発言したアザ・サアダトさんは、夫のアフメド・サアダトさん(PFLPの書記長)がイスラエルの牢獄からチュニジアの民衆に寄せた連帯の手紙を紹介した。
 
■アラブの春が世界社会フォーラムの焦点を移動させた
(3月29日、「インタープレス・サービス」、アルベルト・プラディラ記者)
 
世界社会フォーラムはこれまで、グローバリゼーションによって引き起こされてきた経済的・政治的・社会的不公正に焦点を当ててきたが、今回のチュニジアで開催されているフォーラムでは、アラブの春の革命と動乱に焦点が移動した。
チュニジアとフランスで人権運動に関わってきた活動家のタレク・ベン・ヒダ氏は、「WSFはラテンアメリカで民衆の諸階級に支持された政府の確立に寄与してきた。私たちはそれがアラブ世界でも起こることを期待している」と語る。
アラブの国で初めて開催されるWSFは、チュニジア、エジプト、リビア、シリアにおける到達点と残されている課題、そして矛盾や意見の対立について検討する場となる。一方においてチュニジアとエジプトにおいては非宗教勢力とイスラム勢力の対立、他方におけるシリアの戦争、リビアの不安定という状況がある。シリアにおける紛争はワークショップやパネルにおける主要な対立の源だった。アサド政権の支持者たちと反政府勢力の支持者たちがそれぞれのイベントを開催し、暴力的な衝突には至らなかったが緊張した場面もあった。リビアをめぐっては、カダフィの支持者たちと反カダフィの闘いに参加した人たちの間で、カダフィの肖像の展示をめぐって衝突が起こった。
チュニジアのイスラム教グループもWSFに参加しており、会場の大学では女学生たちが1カ月前から、ニカブ着用禁止に反対して座り込みを続けている。
また、西サハラ独立運動のグループも参加しているが、モロッコのグループは「ポリサリオ解放戦線は嘘をついている」と攻撃する宣伝を行っている。
 
■オキュパイ運動:「偽民主主義の世界へようこそ」
(3月28日、「チュニジア・ライブ」)
 
27日、世界の活動家がエルマナール大学に集まる中で、フォーラムの中での対話のスペースとして計画された「グローバル・スクエア」にも多くの人々が集まった。
中庭に「グローバル・スクエア - オキュパイ・チュニス」と書かれたバナーの下で、このスペースは、米国のオキュパイ・ウォールストリートやスペインのM-15運動などのさまざまな運動の経験と意見を交流する場として計画された。
主催者の1人で、オキュパイ・ウォールストリート運動の活動家のシャウンさんは「重要なことは、われわれが人々がその内容を決定できる開かれたスペースをつくることだ。それはオープンで、参加型で、民主主義的でなければならない」と言う。
このスペースに参加した人たちは、革命が世界の権力関係に及ぼした影響について討論した。
15-M運動のメンバーは「われわれは自由の発祥の地をオキュパイ(占拠)するために来た。われわれは、われわれが自分たちの未来を決めるという意味で、全員がリーダーだ」と語る。
チュニジアの参加者の1人は、チュニジア人たちがこの国の民主主義的変革にもっと積極的に参加するよう訴えた。
シャウンさんは「革命はまだ続いているし、あなた方が権力関係を変えるまでは完成しない。私た会った多くのチュニジア人は、『今では言論の自由はあるが、誰も私たちの言論に耳を貸そうとしない』と言っている」と述べた。
シャウンさんは「世界中で、私たちの不平は共通している。チュニジアの人々には『私たちの偽民主主義の世界へようこそ』と言いたい。闘いは終わっていない」と語った。
 
■パレスチナ連帯のマーチでチュニスの世界社会フォーラムが終了
(3月30日、AFP
 
世界社会フォーラムの最終日の30日に、15000人がパレスチナの人々への連帯を掲げてチュニスの中心部を行進した。参加者たちは「土地、自由、尊厳を」と叫びながらハビブ・ブルギバ通りまで行進した。この日はパレスチナの「土地の日」にあたる。
チュニスで開催されたWSFは、4500の組織から約3万人が参加し、女性の権利、環境問題など広範な問題を議論した。
この日のデモには、シリアの反政府派、チャドの反政府派、レバノンのヒズボラの幹部たち参加し、フランス、カナダ、米国の活動家たちと肩を組んだ。
平和的なデモは、ハビブ・ブルギバ通りから、4キロ離れたパレスチナ大使館まで進んだ。
チュニジアのマルズーキ大統領はフォーラムの中で、「数十年に及ぶ独裁体制から解放されたチュニジアは、貧困を終わらせるための新しい経済モデルを必要としている」と発言した。
 
 

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